叶わなくてもいいから、恋したい。
佐川side

家に帰ると、うちの前にひながいた。

「ひな、どうしたんだよ。」

「返事もらいに来た。」

「俺も言うつもりだった。」

「じゃあ、あの手紙読んでくれたんだね。」

「うん。」

「聞かせて?」

「俺はお前に告白されたとき正直、嬉しかった。好きだったから。」

「じゃあ……!」

「でも、今は他の奴が好きなんだ。」

「そうだよね。。その子どんな子?」

「鈍感で可愛くておっちょこちょい。でも、人のことを考えてて、あったかい。強がってるくせに弱くて守りたくなる。」

「そっか。。。。。」

ひなは何かを考えているようだった。

「そういえば、さっきここに西牧って女の子いたよ。」

「西牧?」

「なんか、用事があったみたいで帰っちゃったけど。」

なんだろ。

でも、わざわざ俺の家まで来てくれて嬉しい。

「佐川君、喜んでるでしょ?」

「へ?」

「西牧さんが好きだから。」

「まあな。」

「西牧さんの名前出した時、好きなんだなって感じた。」

「ごめん。」

「いいよ、仕方ないよ。」

「ホントにごめん。」

「佐川君が後悔するぐらい私、可愛くなるんだから。」

最後の最後まで、ひならしいな。
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