叶わなくてもいいから、恋したい。
「突然ごめん。椎名ちゃんのことで話したいことが。」

「椎名ちゃんって文化祭の時、抱きついてきたあの子?」

「うん。」

「で、どうしたの。」

「椎名ちゃんが彼氏と別れそうなの。どんな言葉をかければいいか分からないの。だから、教えて!」

「え?翔輝とか多賀谷に聞いたらいいんじゃないのか。」

今、佐川に会うとドキドキし過ぎて話せないし。

清汰も最近頼りすぎて申し訳ないし。

「と、とにかく!あなたがぴったりなの!」

「そーですか。」

「お願い!」

「わかった。」

そういって、カバンからスマホを取り出し手早く操作し始めた。
< 96 / 313 >

この作品をシェア

pagetop