別れても好きなひと
「美容師になったのはどうしてですか?」
「昔から服とか髪型とかファッション系の仕事につきたいと思っていました。」

「今日のショーでのコンセプトは?」
「う~ん。モデルの方が1番輝けるように考えたのでコンセプトは?と聞かれると困ります。学生さんだから背伸びしすぎず、でもちょっといつもより輝ける、そう考えていました。私も皆さんのショーに刺激を受けてしまって、今日になってかなりアレンジしてしまったので、当初考えていたものからもずれてしまいました。」

「感性でってことですね」
「海外での経験は私の感性にかなり刺激を与えてくれました。感性とかフィーリングとかイメージとか、海外はとくにその表現の幅が広いです。自己主張の下手な日本人にとっては刺激がかなり大きいですよ。みなさんも1度は海外での経験がもてれば持つことをオススメします。」

「アシスタントさんの動きも気になりました。」
「アシスタントの高橋は私の刺激を動きを日頃からよく見ています。欲しいときに欲しいものを一呼吸前に手元に用意できる。そんな存在です。彼がいなければ1時間では仕上げられませんでした。それから」

私はなんと言われるか緊張しながら大悟をまっすぐに見た。
< 131 / 329 >

この作品をシェア

pagetop