別れても好きなひと
「お待たせ。」

大悟はスタッフルームに入ってきた。勤務が始まってから間もない大悟の顔には疲れが見えている。早く話を終わらせて大悟を休ませてあげたい。緊張しながらもそんなことをかんがえていた。

「驚いたよ、莉子と同じ店舗勤務になるなんて思ってなかったからさ。元気だったか?」

「うん。」

「他のスタッフには俺たちのことは」
「黙ってよう。」

言いにくそうな大悟に変わって私が言葉をつなげる。
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