別れても好きなひと
なんとか玄関に入り内側から鍵をかけて私は玄関に座り込んだ。さて、どうしようか。冷静に考えようとするけど、走ったばかりの心臓がうるさくて冷静に考えられない。

少し経ってから立ち上がるとおかしいくらいに足が震えていた。こんな時は彼の顔が浮かぶ。


大悟、、、。


私の3年前に別れた夫。


目を閉じると今でもはっきりと思い出す。



隣にはいつも大悟がいてくれた。私は大悟の肩くらいの身長で、ヒールを履いて腕を組んで歩くとちょうど大悟の肩に頭をもたれることができた。そうやってくっついているのが好きだった。

あの頃を思い出すと今の自分がむなしくなる。
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