別れても好きなひと
「私がつれていきますから。」

大悟はそう言って私の前にしゃがむ。私が躊躇せずその背中に寄りかかると大悟はすっと立ち上がった。

その広い背中があったかくてまた涙が溢れる。

「大悟。」
「ん?」
「ありがとう。」
「うん。」
「ごめんね」
「うん。」

大好き…。

それだけは言えない。
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