ナツマツリ



驚きに目を白黒させている侑は、知らず知らずに腕から顎が離れてしまって中途半端な姿勢になっている。



それにクスリ、と。

微笑を洩らせば、眉根を寄せてお馴染みのデコピンをぶちかました。



「いった…!」

「笑うな。」

「暴力反対!」

「デコピンは暴力じゃねぇ。正義だ。」

「(何それ……。)」



思わず白けた視線を向けるが飄々と回避され失敗に終わる。



「で。」



会話を元に戻したいらしい侑は、一言だけ寄越して続きを話すよう促している、らしい。あくまで予想に過ぎないけれど。


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