ナツマツリ


愛想笑いをするでもなく、申し訳なさそうにする訳でもなく。


無表情のまま無愛想に言い放つんだ。調子乗ってると思わない?折角誘ってくれたのにね。


「ごめんね、こんなやつで。また誘ってやって。」


そして申し訳なさそうに謝るのが僕の役目なんだ。こんな場面は幾度となく経験しているからね。


女の子たちが足早に姿を消したあと、不機嫌そうな面持ちのまま侑は口を開いた。


「また誘われても、俺は行かねぇぞ。」

「礼儀だよ、礼儀。」

「…はぁ。なんで俺なんかと遊びたいんだよ、面倒くさ。」

「贅沢なやつだなお前は。」


なんてやつだ。僕なんか、侑と一緒に居なかったら女の子から声を掛けて貰えることなんてきっと無いんだからな!


「なぁ、キツネ。」

「…、なんだよ。」

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