きっとサクラが咲く頃
イマ

‐一月四日

今日から仕事始めの私は、いつもよりも随分人の少ない電車に乗って、会社へと向かった。
今日は金曜日。
もっとも管理職の人達は、今日も休みの人が多いらしい。出勤している人は、半分ぐらいのようだった。

とは言え、私達下っ端はメールのチェックから年賀状のリストの作成など、新年独自の雑務がある。
通常業務はほぼ無かったので、そんな雑務を同期とのんびりとこなして、定時ぴったりに退社した。


「畠平さん飲みに行こっか!」
帰り際、そう声をかけてくれたのは同期の百田(ももた)さん。
「今日は同期六人で!!」
後ろに続くのは、これまた同期の若園(わかぞの)君だ。

私達同期はべったりしないものの、適度な距離感で節目・節目で集まるぐらいの団結力はあった。
特に百田さんとはよく仕事で顔を合わせる為か、一番仲が良い同期だ。

「いいね。どこ行こうか?」
そう言った瞬間‐携帯のバイブが震えたことに気付いた。
取り出してみると…宏平からのメッセージ。

『明日の夜に匠馬君帰るって。送れる?』


「そこの焼き鳥にしようかって……それでいいかな…?畠平さん??」
百田さんの問いかけに、我に返った。

「うん、そうしよっか!」

無理矢理作り笑いを浮かべて返事をする。
にっこり笑った後は携帯に視線を落として‐『多分無理』とだけ返信をした。
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