【黒・超短編】セカンドロス~ばーじん(備忘録)
再生した処女膜
ミヨシは新たに処女になった。処女膜再生手術を受けたのだ。本人としては一千万円の価値を見いだしていた。だからもう二度と謳歌しまくったあの生きざまを卒業してはればれとしていた。二度とビッチとは言わせない。誰にでも。
そんな彼女はジュネ作家だった。だから男性のシンボルにある偏見(ジュネならではの間違った性智識)を持っていたのだが、もう関係無い。

空き巣も時効になることだし、グランドホステスも辞めて修道院にでも行こう。ミヨシは生まれ変わった自分の身体にうっとりとした。

そんな彼女を許さない極秘勢力が日本にも至る中あった。

どうしてもミヨシをハカる為にその部隊は超能力を使ってミヨシを凍えさせた。
ミヨシの知ってる智識では白虎の様に、本命と愛し合わねば治らない寒波で、仕組まれているので、ミヨシの片想いだったバイのイナガキも彼女と同じ部屋の炬燵に潜りこんでいた。

「ヤる?」とイナガキに聞かれたら、凍え死にしそうな肉体を暖める方が正義でない様な気がして、逆に「やってヤローじゃん」と貞操帯を脱ぐことにした。

「Cは嫌よ」とミヨシ
「でも僕のシンボルは、もう硬いよ」とイナガキ。
そんなイナガキの粗野な様を見せつけられていたら、うづく筈も無い過去の痕が処女膜を通りすスキャンティーを湿らした。

ダメダメダメダメ

一千万円だよ。修道院だよ。

気持ちとは裏腹に彼に攻められる箇所達が敏感に反応して「誓い」なんて必要?と身体に聞く。

その時、彼はミヨシに挿入した。
堪らない溢れる痛みが、やがて出血部が瘡蓋となり痒みを伴うことから本能的にミヨシは一緒に腰をふった。激しく激しく。何度も何度も。

彼は絶頂を共に味会わせてくれた。
ミヨシは幸せだった。

「明日からまた見習いのキャバ嬢か」

「ふんがー」や「おっふ」が
混じりあった厳寒の寒部屋は、二人の和合を終えた証に、ぽかぽかとした。




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