【黒・超短編】セカンドロス~ばーじん(備忘録)
すかいダイビング
「イッショウさん」彼女ナカオは声をかけてくる。それは何かのはずみで彼女ナカオだけが手に入れた僕タカハシの呼び名で、彼女ナカオは嬉しそうにこう言う。「私が職場をリストラされる前に」私を粉々にしてね♡
最初は何の事だか判らずに『折角だから人生の経験値を伸ばすため』見てみようと、あっさりOKした。それがまさか、恥ずかしいのは『はじめての男女交際』だから。そして『年頃だから結婚を前提に』という。彼女ナカオのプロポーズとも知らずに。

騙された。

だから騙す気でこう告げる。「高層ビルから一緒にスカイダイビングをしようと」中年心中を持ちかけると、少しビックリしたのか焦りながらもこう言われた。
「誓います。お婆ちゃんになって荼毘にふされ、高層ビルから空葬されるまで」一緒にくらすと。

ダメだ。僕の負け。

今はもう考えまい。
パスタを「わんわん物語©ディズニー」のデリーとトランプの様に、分けあったあの娘の事を。
今はもう考えまい。



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