強制食料制度
会話
どのくらい眠っていただろうか?


ふと目を覚ますと窓から差し込む太陽の光はオレンジ色になっていた。


慌てて体を起こして周囲を見回し、ここが良の部屋であることを思い出した。


「そうだった。あたし河川敷で良と会って……」


そう呟いた瞬間、激しい吐き気に襲われた。


夢中になって元子の体を貪り食ったことをが鮮明に蘇って来る。


あたし……元子になんてことを……!


自分が食料になるのが嫌で逃げ回っているのに、元子のことを食べてしまうなんて!


あたしはベッドから起きだし、近くにあったゴミ箱の中に吐いてしまった。


胃の中にあったものは全部元子の体だ。
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