定期購読ドール
アケミは千夏の体を押しのけるようにして玄関に入り、ドアを閉めた。


「そんなに慌てて何があったの?」


千夏がそう聞いた時、外から宅配業者の声が聞こえてきて、玄関に緊張が走った。


「相原さんと野田さんの荷物のお届けですが……」


突然逃げだしたアケミに、戸惑った声が聞こえて来る。


「まさか、ドール……?」


千夏の言葉にアケミは小刻みに頷いた。


千夏にも同時に届いたということは、ドールで間違いない。


「開けていただけませんか?」


その声にアケミと千夏は沈黙した。


「どうする? 受け取る?」


千夏の言葉にアケミは強く首を左右に振った。


「受け取りたくない……」
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