星の手紙
そして数時間後。


あたしはグラウンドの上にいた。


赤いハチマキを撒き、バトンが回って来るのを待っている。


赤いハチマキのクラスメートは今一番後ろを走っている。


けれど1位の生徒との距離はそれほど離れていない。


これなら追い抜く事ができる。


そう思い、気合が入ったその時だった。


不意に今朝の手紙の内容を思い出していた。


《リレーの前に靴紐チェック!》


視線を自分の足元へと向けると靴紐がほどけている。


まるでこうなることがわかっていたような手紙に不思議な気分になった。


手紙の通り靴紐を結び直してバトンを受け取る。


他のクラスをグングン追い越して、あたしは1位でゴールしたのだった。
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