彼女のセカンドライフ
体内から、胆汁を出し続けてる間、主治医と話す機会があった。
「初めに違和感を覚えたのは、尿が濃くなって、でも夏の暑さのせいだと思って、水分不足とか疲れかなと、あまり気に掛けなかった」
武尊はゆっくりと、話し出した。
お腹や背中が、どんよりと重く、痛くなったり、体も気怠かったり、次第に食欲も無くなったり。下痢と便秘を繰り返すなど、それが初めの兆候が出ていたとも気付かず。
この時の段階で、内科で見てもらった時は、胃潰瘍だと言われ、出された薬で痛みも治まったような気がして安心していた。
次第に体が痒くなって行き、掻いても掻いても本当に痒い所に行き当らない。もっと奥の方が痒いような感じ。それが眠れないほど痒い時もあった。
便の色も、以前とは違って、白っぽかったりして、それから耐えられないほどのお腹の痛みになり、恐る恐るネットで調べて行くうち、自分の症状を照らし合わせて見ると、
〝 膵臓癌 〟
という病名に行き当たった。
当時のことを振り返りながら語った。
「それでも、最初の診断、胃潰瘍だと信じたかった」
声を詰まらせる武尊。