彼女のセカンドライフ
なぜ、その手術を行うかというと、確実に静脈内に薬剤を投与するためと、何度も患者の腕に針を刺すストレスを軽減させるため。
それと、薬剤によって血管に炎症を起こすのを防ぐため、また、薬剤が血管外に漏れて、正常細胞が壊死する危険性もあるので、それらを回避するために行った。
胆汁を排出したお陰で、一時的に黄疸症状も治まっていた。
痒みもそれなりに引き、約二週間後、やっと抗がん剤治療が始まった。
ゲムシタビンと言う抗がん剤を、二週連続投与し、三週目は休むというサイクルで、二セット(二ヶ月間)行う。
抗がん剤治療で言われているような、副作用の過酷さも、覚悟していた。
副作用に備えて、苦痛を軽減させるために、自分で出来ることを、医師に相談した。
今の気持ちのまま、自分を強く保ち、臨もうとしていた。