彼女のセカンドライフ
「にしても急接近じゃね?」と不満気に言う文利。
以前に自分の事情を話したことがあって、「同情⁉」もあるかもしれないと武尊は言った。
「だろな!!」と一言、武尊を馬鹿にしたような目で、言葉を投げつけた文利。
――こんな金もねぇ奴に、見た目もたいしたことねぇし、自立してないコイツに、金もあって綺麗な女がつくわけねぇだろ!
文利は思いながら、それと以前に、武尊の家が借金まみれで、また武尊自身も親に金をたかられて困っている、バイトも増やそうと探していたなどと、凪美子に武尊の家庭の事情を話したと言う。
だから武尊に優しくするのは、そのせいだと言い切った。
「同情だ! 勘違いするなよ!」
文利の言葉に一瞬不快感を覚えた武尊。
そして、文利自身、凪美子に告白したことも明かした。
断られた理由は、年の差だけ!
それがなかったら、凪美子は自分を男として見てくれて、今頃はきっとつき合っていたとも言い切った。
フラれた腹いせに。