東京✖️ソウル

「猪瀬さん、頑張ってね〜!韓国旅行行くときは連絡するね」

会社の人に見送られながら見慣れた景色を歩きながら搭乗する
今まで韓国に行くときは彼に会えるからいつもわくわくしていた
なのに今は行くのが辛すぎて泣きたい。

19Dの席に座り考えるのはやめようと思いながら出発するのを待っていると

「あの、そこ」
目の前に酸欠しながら立っている男の人がいた。
彼は私の席を指指しながらカタコトの日本語で言った

私は咄嗟にこの人の席私の隣なんだと悟ったので、立ち上がり
「どうぞ」と言った。

「ありがとうございます」
彼は爽やかな笑顔で私に言った

その笑顔がなんか可愛く思った
彼が息切れしていたのはギリギリに搭乗したからだろう
それにしても良い匂いがする。なんか安心する香り
あーそうか、元彼と同じ香水を使ってるんだ
韓国で人気って言ってたっもんな…

「あの…」
誰かに声をかけられている。わたし寝てたんだ。急に引っ越しの手続きとかあってゆっくり眠れなかったからな
私は重い目を開けると目の前に綺麗な顔があった

突然の事でもう目が覚めた
眠っている頭もフル回転して整理する

私は無意識のうちに彼の肩にもたれて寝てしまっていたようだ。

「あ、ごめんなさい!」
咄嗟に韓国で言った。

「大丈夫ですよ。もう到着しましたよ」
わたしが韓国語で答えたので韓国語で言ってきた。

通常の会話なら韓国語でも話せるが母国語にはやはり勝てない。

「あの、韓国語できますか?」

彼が真剣な目をこちらに向けながら聞いてきた。

「はい、それなりに…」

「日本に住んでますか?それとも韓国ですか?」

何だろう。すごい勢いで聞いてくる。

「仕事の関係で今日から韓国に住みます…」

そう言った瞬間、彼の顔がパッと笑顔になり

「あの!よかったら仲良くなりませんか?」

「は…い」

ん?今びっくりしすぎてはい。とか言っちゃったけど何この人…
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