森と少女と道化師
なんで君はそんなに悩んでるの?君が泣かないでよ、泣きたいのは私だよ?なんで私のこと覚えてないの?恋人だよ?このメモ帳もあなたが...私は心の奥底で叫んだ。私の事を思い出してくれない君がムカつく。君が嫌い。だけど君が好き。わけわかんないや。

私が考えて黙っていると君は急に口を開きいつものようにぼそっと言った。
『僕は鈴の事を好きって思い出せない。』
散々黙ってたのにそんなはっきり言わなくても、と思っていたが君は続けた。
『全然思い出せない。けど鈴が僕のことを好きなら僕は鈴をまた好きになるように努力したい』
少し上から目線なのが気になるが素直に嬉しかった。忘れていてもまた好きになってくれればいい。簡単な答えだけどとても難しい。
『努力したいじゃなくて努力するでしょ?』
上から目線されたから言い返してやった。なんて言うんだろ。私はドキドキしながら返事を待った。
『はいはい』
と呆れた返事をしてきた。
『私は忘れないからね。君のこと。』
聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。君は聞き返してきたけどわざと無視して
小屋の外に出て思いっきり叫んでやった。自分でも何を叫んだかわからない。とにかくいてもたってもいられなかったから叫んだ。
さっきまで雨音だけがしていた森の中は私の叫び声と君の笑い声だけが響いている。
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