慟哭、禁断の果てに
恋なんてしたことない

だから、駆け引きなんて分からないし出来ない

本音を引き出すことは至難のわざ

恋愛初心者の私にはどう足掻いても、無理難題だし、
協力者もいない

「ごめんなさい。用事思い出したので帰ります」
「え?舞ちゃん?」

和宏さんに一礼して、私は人混みのなかを駆け出した

人の波に逆らうように、一刻も早くその場から離れた
かったから

だって、あのままいたら、私、泣いてた

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