先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

過去と今

航said
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夜、

何年かぶりに操に呼び出された。

今朝、社長達が営業部に来たときに、花笑の様子がおかしいことに気付いていたが、その後外回りに出てしまったから、話をする間もなくそのままだった。
置田が前に俺達のことを聞いてきたから、あの事を知っているのだろう、花笑を連れて出て行ったから操と何か話したのかもしれない。

雑居ビルの地下1階、隠れ家的な落ち着きあるバーは、昔操と付き合っていた頃よく通っていた。
扉を開けるとカラコロと鈴の音と共に、懐かしいマスターの顔。

「おや、久しぶりですね、航くん」

「マスター、ご無沙汰」

カウンターに近づくといつもの席に操の姿がある。

「操ちゃんと二人揃ったのは何年ぶりかな?」

苦笑いしながら操の席から一つ飛ばして座る。

「マスター、私こいつととっくに別れてるの。二人揃う事はもうないのよ。こいつは金輪際来ないから」

既に飲んでるらしい操は俺をこいつ呼ばわりして悪態をつく。

「お前、呼び出しといて失礼なやつだな」

「そんな寂しいこと言わずにたまには来てよ」

苦笑いのマスターはまだ注文してない俺の前にカナディアンウイスキーのロックを差し出す

「いつものでいい?」

「ああ、どうも」

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