先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

深夜、3次会まで付き合わされてやっと帰れるとタクシーに乗り込んだら日野に言われた。

「山片さんずっと隣にいた女の子といい感じだったじゃないですか?いいんですか?松崎に知られたら泣かれますよ~」

揶揄されムカつき言い返す。

「何言ってんだお前?ただ話してただけだろが。そうゆうお前は女子に囲まれてだらしなく鼻の下伸ばしてんじゃないか。」

「俺は彼女いるわけじゃないし、ひと時のお楽しみなんだからいいじゃないですか~」

こいつ普段から爽やか系でモテるくせに何言ってんだ?
呆れてため息をつく。

「お前、夏野はどうした?花笑が最近いい感じだって言ってたんだが?弄ぶつもりなら俺が許さんぞ」

「い、いや、えっ?なんで…」

焦って言葉も出ないようだ。
夏野が日野に好意を寄せていると本人了承のもと花笑から聞いている。
花笑が俺にぽろっと言っちゃいそうだと言ったら、
「山片課長は口が堅そうだから言ってもいいです。絶対日野さんには言わないでくださいよ。もし、私が告白したくなったら協力してくださいね」とにっこり。なかなか強かな奴だ。
今は、たまに飲みに行くようになり片恋を温めている最中だとか。
日野も満更でもない様子なんだが、花笑がかわいがってる後輩だ。泣かせるようなことがあったらただじゃおかない。

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