先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「置田!」

ビクッとしながら「はい!」と返事をした

「動揺してる場合じゃない、行くぞ」

「い、行くってどこに…」

「有山ホテルに決まっている。先方に出向いてお詫びと出来る限りのことはしてこないといけない」

「今からですか?!」

小山さんがビックリして声を出した。

「当たり前だ、幸いここから有山ホテルまで近い。車で2時間弱もあれば着くだろう」

それからの行動が早かった。
ホテルにレンタカーが借りられるか聞いてくるように花笑さんに言って、他の人達も小山さんと連携取って当たるよう指示し、一緒に行くと行った小山さんたちにぞろぞろ行っても仕方ないと一蹴し、なんとスーツに着替えて来た。

「スーツ持って来てたんだ…」

「課長と日野さん。取引先の都合が付かずに社員旅行帰りにそのまま先方に寄ることになってたんだ」

そういう置田くんを見るとスーツを着てる

「置田くんも持って来てたの?スーツ」

「いや、日野さんの借りたんだ」

よく見るとちょっと違和感が、下を見るとズボンのすそが長くてくしゃっとなってる

「ぷっ置田くん日野さんとそんなに背は変わらないのにズボンは合わないみたいね」

思わず吹き出してしまったのを不機嫌そうにちょっと顔を赤らめて、
「うるせー無いよりましだろ」と言っていた。
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