先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「えっ知ってたんですか？」

「んーなんとなく？」

「私、分かりやすかったですか？」

「自分が恋してると、周りに恋してる人がいると気づいちゃうんじゃないかな？あ、私と同じだって。」

「そうかもです…。花笑さんは、山片課長、ですよね？」

「……うん」

はにかみながら認めてくれた。

「よ、良かったーホントにホントに同じ人好きだったらどうしようって、花笑さんも日野さんも大好きなのに、邪魔しちゃいけないと思って……」

なんだか安心して思わず涙が出て来てしばらくワンワン泣いた。
花笑さんは最初びっくりしてたけど私を抱きしめて背中を擦ってくれて、

「ごめんね、私がはぐらかしてたばっかりに余計な心配させちゃって…」

花笑さも涙を流しながら謝ってくれて、私は首を振りながら、

「花笑さんは悪くないです。私が勝手に悪い方向に妄想してばかりでモヤモヤしてただけなんですぅーうう」

涙を止めようとしても次か次へと出て来て、二人抱き合って泣いた。
やっと落ち着きを取り戻したのはそれからしばらく経ってから。