先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~


「あ~面白かった!また続きが気になるね!」

「ああ、あれは気になる終わりかただったな」

久しぶりの映画は、アクションと笑いと恋愛が盛り込まれた続き物で、一応ストーリーは決着ついたものの気になる謎を残して終わったため、スッキリとした気分だけど早く続きが見たくなった。

「来年完結編が上映されるみたいだから、また、見に行こうね?」

俺の左手を取り、上目使いでお伺いを立てる花笑に、ふっと笑って反対の手で頭を撫でる

「ああ、楽しみだな。どうせDVDも買うんだろ?」

「もちろん!」

嬉しそうに笑う花笑を見て連れて来て良かったと満足げに見下ろした。

最近、忙しくて構ってやれなかったからか、職場で元気無さそうな様子が気にはなっていた。

自惚れではけしてない…多分。

だから、花笑が好きな映画が公開される今日連れて来てやろうと、躍起になって仕事を終わらせた。
花笑にかなり甘いという自覚はあるがこの笑顔が見れるならいいかと思う。

ふとまた日野が言ったことを思い出す

『好きなくせに……』


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