セナカアワセ
国語のテストはテストって感じじゃない。



問題の文章も普通に本を読んでいるみたいにわくわくする。




「やめ!」



先生の声で一斉にペンを置く。



「試験お疲れー。徹夜の奴は今日ちゃんと休めよー。」



そう言って先生が出ていくと、あちこちで声が聞こえた。



「栞里帰ろーーー!!やっと終わったよ!!」



「何言ってんの、那美佳。これから生徒会。文化祭実行委員と会議だよ。」



「嘘でしょ!?!?聞いてない!!」



「私昨日言ったよ。ほら、行くよ。」



私の制服を引っ張ってスタスタ歩いていく栞里。



今日はテスト終わったから家でじっくり本読もうと思ったのに。



私が残念がっていると、いつの間にか生徒会室の前。


「「しつれーーしまーーす。」」



「おっ、だるそうなヤツらが二人来たな。」



「会長は元気ですね。」



会長に文句言いながら、いつもの席に座る。



文化祭実行委員会の委員長と副委員長も来ていた。



そこに見た事のある顔。



「あっ、遙人!?」



「よっ!」



「遙人が副委員長なの?」



「いや、2年代表って感じ。学年それぞれ代表作ったんだよ。」



へーーー、意外にそういうのやるんだ。



「意外とか思っただろ。」



「いやっ!思ってない!」



「あのーーーーーー、イチャついてるとこ悪いんだけど、始めるよ。」



栞里に言われてハッと我に返る。



ていうか、イチャついてないし!!!



栞里を横目で睨む。



「イチャつきたいの?」



隣に座っていた遙人に耳元で言われて、私は机の下で遙人の足を踏みつけた。



ふ、ざ、け、る、な



口パクでそう言うと口を抑えて笑っていた。

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