セナカアワセ
「おわぁーーーーー。綺麗だな。」




遙人が声を上げて、私は下を向いていた顔を上げた。




黄色に輝いた木がずっと奥まで続いている。




「ほんとだーーーーー。綺麗!!」




ミュージアムも綺麗だったけど、こういうイルミネーションもやっぱり綺麗だ。



「遙人の好きな黄色じゃん!!良かったね!!」



「、、、、、、、、、うん。」



「遙人?」



「あっ!うん。、、、すごく綺麗。」



遙人はずっと上を見続けていた。



感動しているのか、さっきよりも手を強く握られる。


ねぇ、遙人。



私、気づいたみたい。



私、



遙人に



恋してる。



だって、



好きって気づいたら、



また胸がキュッとなった。




前までとは違う気持ちが




私の中に出来たみたい。




でもね、




ちょっとこの気持ちが怖いんだ。




また、騙されるんじゃないかって。




また、私の気持ちをズタズタに引き裂かれられそうで。



この気持ちを遙人に知ってもらいたいとは思うんだけど、




今はまだそれが出来ないから、




いつか、




私の過去を伝える時がきて、




それを聞いても遙人が受け入れてくれたら、




その時、




遙人に好きだと伝えたい。




「那美佳、奥の方まで歩いてみよう。あっちに青い光見えるわ。」




向こうを指さして笑う遙人。



その笑顔を見て私も嬉しくなる。




「うん、行こう!!」




寒い星空の下、



私の右手だけが温かかった。





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