【完】さつきあめ

「可愛い。これはありがたくいただきます」

「おお!やっぱお前うさぎ好きだったか?!くまと猫と迷ったんだけど、お前は絶対うさぎだと思ったんだよなぁ~」

面白すぎる。
これを朝日が店頭で手に取っていただけでも面白いのに、くまと猫と迷っていたことが更に面白い。
こんな冷酷な人が、そんな事で迷うなんて、思わず笑いが堪えきれなくなる。

「あたし、宮沢さんの良いところ、もう1つ見つけました」

「え?!なんだよ!」

「教えない~!」

「はぁ~?!なんだお前!」

光、わたし19歳になったんだよ。
3月が誕生日って覚えていてくれてるかな?お店があれだけ気合いいれたイベントを打ったから、それくらいは知っているよね?
光も誕生日迎えたよね?27歳、おめでとう。渡せないってわかってたけどプレゼントも買ったし、直接おめでとうって言いたかった。
おめでとう、ってお互い言い合って、笑いたかった。
THREEでナンバー1にもなったし、沢山の人がお祝いしてくれた。
でもあのマンションのベランダに深夜立つと、光がいつか言ってた孤独感が襲ってきて、止まらなくなるんだ。

届かない言葉を、いつもあのベランダから投げかけていた。


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