【完】さつきあめ

「好きでしょ?女の争い」

「そこまで趣味悪くねぇっつの。
お前の中で俺はどこまで悪魔なんだか…。

安心しろよ。下らない条件だ。お前は七色グループから辞めさせねぇ。辞めたくねぇんだろ、お前は」

いつからだろう。
この人から僅かな優しさをくみ取れるようになったのは。

「あたしが負ける前提ですか?」

「お前とゆいの売り上げは大した差がねぇだろ。いくらでもひっくり返せる額だ。
…それに、俺はゆいは好きじゃねぇけど、正直すげぇ女だとも思ってるし」

「あたしがすごくないと?」

こんな風に意地悪も言いたくなる。
そう言えば、朝日は不機嫌そうに眉をしかめた。

「お前とゆいじゃタイプが違うって言ってんだよ。別にお前がゆいに劣ってるとか言ってないわ。あいつはなんてゆーかお前と違って掴みどころがない女なんだよな。
原田は相当大切にしてるっぽいけど、ああいう情のなさそうな女、俺嫌いなんだ」

嫌いなんだ、とはっきりと言い切る。
最近この人の良いところが目につくようになった。
朝日は、正直で不器用なんだと思う。

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