純真~こじらせ初恋の攻略法~
目が覚めると、途端に体の怠さと不自由さを感じた。

私の寝返りを妨げるものが後ろに……と思ったのも束の間、私は一気に昨日の情事を思い出した。

そして納得したのだ。

この身体の怠さは仕方のないことなのだと。

私は重い身体をゆっくりと捻り、私を後ろから抱きしめている藤瀬くんに向き直った。

あどけない寝顔は少し幼くて、昔の面影が残っているような気がする。

でも……昨晩は面影なんてとてもあるはずがなく、初めて見る男の藤瀬くんに翻弄されっぱなしだった。

あの藤瀬くんがあんなことやこんなことするなんて……。

あまりにも情熱的だった藤瀬くんとの行為を、ナカの違和感でいまだに感じる事ができる。

それほどまでに私は藤瀬くんから求められ、私は藤瀬くんを求めたのだ。

これで全てが埋まったわけじゃないことはわかってる。

私達はこれからも思いを言葉にすることで、少しづつ埋めていくのだろう。

来ないと思っていた藤瀬くんと迎える朝が……。

「うそっ、もう昼じゃない」

壁に掛けてあった時計は午後13時半を回っていた。

どれだけ眠っていたのかもわからない。

だって、いつ眠ったのかもわからないのだから。

半分気絶するように落ちてしまったような気がする。

ならばこの時間になるのも頷ける。

重くて怠い腰を動かしたくなくて。

身体に回された腕にまだ包まれていたくて。

私はずっと藤瀬くんの寝顔を堪能した。

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