いつもの缶コーヒーと小説
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森と少女と道化師

総文字数/18,684

恋愛(その他)23ページ

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『半年後に死ぬ』 そう告げられたのは高校2年生の冬。いや正直もっと前から死ぬことは分かっていた。 だがそれを悲しむ親も友も恋人も僕にはいない。なぜなら死ぬからだ。 誰からも愛されず生きてきた。なのに他人の力を借りたいと生きられない。そんな自分が悔しかった。一人では何もできない。できるのは迷惑をかけることくらいだ。半年後に死ぬことは世間からすれば短い期間だろうが僕には長かった。死ぬとわかっているのに生きていることが辛かった。 僕はいつものように病院のベットの上で朝食の美味しくもない薄味のコロッケを食べて興味もないニュース番組をぼーっと何も考えず見ていた。ほとんど何を言っているか聞いてないのにある言葉だけはっきりと聞こえた。 『自殺』 そうだ、自殺だ。久しぶりに僕は微笑んだ。 自殺なら死んだ時に保険金が親に入らない。自殺なら僕は何も残さずに死ぬことが出来る。そう考えた僕はさっそく行動した。近くにおいてあったペンと手帳を持って病院を抜けだし、コンビニで小さなナイフと好きだったコーラを買い何となく森へ向かった。森なら誰にも見られないからだ。3kmほど歩きようやく森へついた。なぜかウキウキしている。近くにあった少し大きめの石を蹴りながらわりと平坦な山道を歩き始めた。 僕は誰もいないのに一人で話した。今までされてきたことやしてきたこと。どう思って生きてきたのか、どう思って死ぬのか。まるで他人事のように笑いながら話していると誰もいないはずなのに、 『それでいいの?』 と聞こえた。まわりを見渡しても土、石、きのこ、木しか見えない。『森』しか見えない。
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