No border ~雨も月も…君との距離も~
23章 君との距離も…
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「 4年かぁ……もう そんなに たつんだね。」

鈴ちゃんは タクちゃんの お墓に手を合わせながら、墓石に刻まれた“ 拓也 ” の文字と命日を見つめた。


「 とっても…長く感じたし、とっても短かった気もする。

この4年で 私たちの環境は ずいぶん変わったけれど…タクを亡くしたあの日の感覚は変わらない。」

「 ……うん、そうだね。4年前とは全然違う場所で、私たち それぞれが生きてる……。
けど、 確かに あの日々があったから…今を こうしているんだね。」

「 タクと一緒に……4年を生きてきたよ。」

「 うん……。」

私は、鈴ちゃんの隣にしゃがんで 線香に火を灯す。

「 鈴ちゃん、今やっ!! 予約の取れないネイリストだもんね~☆
コンテストで賞 取ったこと、タクちゃんにちゃんと報告しなきゃっ!
鈴ちゃんは、ちゃんと歩いてるって。夢を叶えてる……って。」

「 紗奈のお陰だよ。」

「 なーーーに。(笑) 」

私と鈴ちゃんは 肩を寄せあって笑う。

「 紗奈と 美音(みお)が 居てくれたから……生きてこれた。」

「 大袈裟だよっ(笑) 」

「 ううん、大袈裟なんかじゃない…。二人が居てくれたから 頑張れた。二人を見てたら…頑張れたんだよ。」

「 …それは、私の方だよ。鈴ママが居てくれたから…美音は 寂しくなんてないのかも。
父親がいなくても…美音は幸せそうだよっ!

感謝してる…… 鈴ちゃん。

あ~~!て いうか…美音っ!!?
あんまり 遠くに行ったらダメだよっ!! 」

「 うんっ! わかったぁーー♪ 」

美音は、こちらを振り向きもせず…パタパタと墓地の敷地を走り回る。

「 オバケ 出るぞぉぉーーーーー!(笑) 」

「 (笑) 」

私と鈴ちゃんは 顔を見合わせて笑う。

「 ねぇ、紗奈。

ずーーっと好きでいようと思ってる。 タクのこと。

生きてても…亡くなってしまっても…私が ずっとタクのことを好きなことに 変わりはないんだ。」

「 うん。」

私は 清々しい風を感じて 青空の天辺を探す。


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