君を消したワタシ。君に消されたボク。
コウの存在を改めて強く感じる。
当たり前に繰り返される毎日に有り難い気持ちになる。
「昨日のテレビ見た?」
が、俺がそれを伝える前にコウは昨夜のテレビの話題を振ってきた。
まあ。
俺が急に『ありがとう』だなんて言ってもコウは気持ち悪がるだけだろうからいいけどな。
そんな風に他愛もない会話をしながら俺たちは通学を歩いた。
そしてある程度会話が落ち着いた頃。
今日も目の前にはいつのまにかコウの学校が見えていた。
「コウ」
「うん……」