君を消したワタシ。君に消されたボク。

ああ。

それなのに。

今日も彼に会えるかと思うと私の心は無条件に浮き足たってしまう。

校庭の脇を自転車置き場へ向かってゆっくりと歩く。

校舎にでかでかとぶら下がっている時計が指す時刻は八時二十分少し過ぎ。

そろそろ彼が後ろから追い抜かしにくる時間。

「コウ先輩おはよー」

後ろから聞こえたはずの声は言い終わるころにはもう前にあって。

キッ。

と切れのいい音を鳴らして私の少し手前に落ち着く。
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