暴走族の姫〜SECOND〜

聖side

「ただいま。」
















そんな、挨拶をしても誰も返してくれないことは解っていても、少し期待してしまう自分がいた。















玄関の鏡で自分の顔をふと見ると今日ビンタされたところが赤黒っぽくなっていて髪を下ろして隠した。
















傷を見てるとやはり自分がイジメられていることがいやでも分かるから。
















のどが渇いたので、自分の部屋に荷物を置いて、キッチンで水を飲んでいるときだった。
















ｶﾞﾁｬ
















するはずもない、玄関の扉が開く音がしてその方を見た。















するとリビングの扉が開き、陽が帰ってきた。
















陽「いるならおかえりぐらい言えよ。笑」
















ぁあ、お兄ちゃんだ。久しぶりだけどかわってないその笑顔を見て少し気が緩む。











聖「おかえりなさい。お兄ちゃん！」











お兄ちゃんの元まで急いだせいで髪が横に靡く。










陽「聖？これどした？」











サッと私の叩かれた頬の髪を上げる。













聖「え、なんでもないよ！今日の晩ごはん何にする？」
　


　　
　　　　　　








話を逸らそうとしたが、両肩を掴まれて身動きが取れない状態になっていた。





　　　　







陽「だれにやられた？」





　　　　　　







質問の内容がどうしたじゃなく、誰にになった。













聖「ほんとになんでも‥ッはぁいたっ」













久しぶりに来たこの痛みは明らかに心臓の発作だった。






　　　　　






陽「聖っ！薬どこだ！？」













倒れかかった私を支えながらキッチンにある何種類もの薬が入った籠をお兄ちゃんはひっくり返して心臓の発作止めを見つけ出した。













そして、コップに水を入れて私にゆっくりと飲ませてくれた。












　
聖「あ、り、がと、」