恋の神様に受験合格祈願をしたら?
「とりあえず、よかったな大志」
 会長が労わるように菅野さんの肩を擦った。
「ひとまず、骨は拾わなくてすみましたね」
 ヒロさんが小さく息を吐くと、
「自分で質問しながら、責任感じてメチャクチャ緊張したぜ」
 ケイ先輩がイスからズリ落ちるようにしてしゃがみ込んだ。
「つまり、そういことです」
 ハルちゃんと、
「よかったらどうぞ」
 リカちゃんが菅野さんへ差し出すように、私の肩を掴み。
「勿体ないわ」
 仁美先輩が少しガッカリしたように呟いた。
「そっか、そうなんだ」
 菅野さんは上機嫌で私に微笑むと、
「もっとニコちゃんに気に入られるよう頑張るよ」
 立ち上がった。
 そして、どうにかイスに戻ったケイ先輩に、
「ケイ、愛してるぜ」
 と言いながら抱きついた。
 ケイ先輩の潰れたような悲鳴と、みんなの笑い声が生徒会いっぱいに響いた。

Fin
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