モノクロームのKiss
支倉 雪那、17歳。職業、高校生。だった......。

今は何もしていない。......嘘、昼間はニートで、夜は年齢を偽ってデリヘルでバイトをしてる。

このバイトについて親は何も言わない。

バレてないから......じゃなくて。親は知ってる。

大事な一人娘が、しかも未成年の私が、よりによって風俗嬢やってるっていうのに。母親は心配どころか微塵の関心も示さない。

だから、いっそのこと、処女を捨ててやった。

2ヶ月前の真夜中、郊外のラブホテルで......。

相手は新規の客だった。

「お待たせしました〜。この度は、ご指名ありがとうございます。みなみで〜す」

「ああ、よろしくね。......みなみちゃん」

おっと......!こんなイケメンから指名されるなんて、あたしも捨てたもんじゃないなっ。ラッキー!

女の子に不自由なんて、全然してなさそうなのに。

それが彼の第一印象だった。

「デリヘル利用するのは初めてですか〜?」

「うん。初めて」

「分かりました〜。じゃあ、とりあえず軽く、お話しでもします?」

デリヘルどころか風俗全般が初めてだと彼が言いうので、私は彼が、もしかして緊張しているんじゃないかと思って、とりあえず少しでもリラックスしてもらいたくて世間話をすることにした。

「20歳だよ。うん、そう大学生」

「学部は〜?」

「医学部。っていうか、デリヘルって女の子が到着したら、すぐにプレイを始めるわけじゃないんだね」

なるほど。それは今すぐプレイしてくれってことか。

そうだよね。自分じゃなくて女の子に欲求を処理してもらいたいから、わざわざ、お金払ってデリヘル嬢を呼んだんだよね。

学生の身分で90分18000円は、お高いだろうに......。

「あっ、じゃあ早速シャワー浴びましょっか。一緒に」

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