オジサンに恋しちゃダメですか
「まさか……嫌いとか……」

「ううん。嫌いじゃないの。」

私は、首を横に振った。

「その……四宮君の事は、仲のいい同僚だと思っている。それだけ。」

「奈津菜ちゃんは、その関係を壊したくないって事。」

「うん。」

「ふぅーん。」

四宮君は、立て肘をして、その中に顔を埋めてしまった。

「あの、四宮君……」

「好きな奴がいるとかは、言わないんだ。」

私は、ハッとした。

そうだ。

何よりも先に、それを伝えなきゃ!


「いいよ。好きな奴いないんだったら、そんな関係こっちから、ぶっ壊しても……」

「待って。」

私は赤い顔をしながら、右手を挙げた。

「はい。います……好きな人。」

隣で四宮君が、項垂れている。

「やっぱり……そうか。」

「やっぱりって、知ってたの?」
< 62 / 103 >

この作品をシェア

pagetop