オジサンに恋しちゃダメですか
「今度は、何で泣いてんの?」

「うっ……うぇっ……」


何でって……

課長が好きだからに、決まってるじゃないですかあああ!


「課長……」

「うん。」

「好きです。」

「あっ、いや。それは分かったから。」

「分かってません!」

「はあ?」

「課長は、私がどれだけ課長の事好きか、分かっていません!」


私がはっきり言うと、課長は深いため息をついた。

そして、髪の毛をぐしゃぐしゃと、掻き回し。

”考える人”のポーズを取って、無言で何かを考えていた。

その間、二人の間に流れる空気は、シーンとしていて、冬でもないのに、肌が冷ッとした。


「分かった。俺が、悪かった。」

「課長……」

「その憧れとか、尊敬とかそう言う事じゃなくて、一人の男として、俺を好きになってくれたんだな。」
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