【本編完】最恐No. 1はそこにいる
第十二章 死神と妹

出会い






旅行から帰って数日。


やはり休みに入ると変なやつが増える。

今日も死神の格好をして出掛ける。


詩音…は確か広野の家に泊まると言ってたな。


よし、ここら辺は大体治まってきたし、

この前の旅行地に行くか。


電車で二時間の場所。


ブラックというあの子も少し気になる。

あの黒髪は作り物のようだったし…

少し調べたがあまり情報は無いようだった。


俺は株主の仕事を終わらせてから夕方に出掛けた。





_________




確かに多いな。


ここら辺は治安が悪い。


ブラックが昼にも出ていたのも頷ける。


せっかく来たのだからと何人も絞めた。


さて、日も跨いだ。

これから増えてくるかな。


そう思っていると、

遠くから毛色の違うバイクの音が聞こえた。


ブラックの縄張りに入ったからかな。


この姿で会ってみるか。






「…あんた、死神か。」


「あぁ。」


「ここに何の用だ。」


「別に。」


「気まぐれか。

別名野良猫と言われるだけあるな。


…あんた、本当に銀なんだな。」


「…」


俺が喋らずにいると、

ブラックは自分の髪を掴んで引っ張った。


「銀…

目はカラコンか?」


俺がそう言うとカラコンも取った。


「あたしのこと、知ってる?」


そう言いながら俺を見据える。


「…残念ながら記憶がない。」


「…そうか。

お前も違うか…」


「…俺は」


「?」


「五歳からの記憶しかない。」


「…!

それって…!」


「でも記憶がない。」


「…。」



「…検査したら確実だ。」


「…!

うん!」


「この話は終わりだ。

これからまた遊ぶだろ?」


「そうだね。

これからまた増える。」


「共闘するか。」


「…!

そうする。」


その日明け方になるまで二人で暴れた。


初めて共闘したとは思えないほど息が合っていた。


感覚的に分かった。

この子は俺の妹だ。






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