BRST!

/固い約束








――昴くんとの"約束"まであと半年。



「稜ー、これ昴くんちに届けて来てくれる?」

「あ、はーい!」



今年漸く中学生になった私。


リビングで普段通りに寛いでいたら、夕飯の支度に取り掛かっていた母親からの御達示を受けた。



「(うわ、茜色。)」



運ぶよう頼まれた、夕飯のおかずのおすそ分け。


そのタッパを零さないように慎重に持ちながら玄関のドアを開ければ、視界いっぱいに広がった夕焼けに感嘆した。


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