BRST!

/unknown






――月が浮かぶ宵のこと。



「クズめ、失敗しやがって。ククッ、やっぱりオリジナルには勝てません~ってか?あ?」

「?一体、何のことで――」

「うるせぇよカス、黙れ。」

「、ぎゃあ!」




薄暗いそこで、王座に君臨する男は目を背けたくなるほど残虐な"ペナルティ"を施す。


血と、汗と、涙が混ざり合う。


施されている男の仲間であるはずの彼らも目を背け、地獄のような時間を耐えるように身を固める。





「貴重な"黒石"も奪われやがってよぉ。あれ集めんのにどんだけ時間掛かったと思ってんだよ。」

「わ、"  "…!」

「うるせえ、つってんだろ。」

「ぐ、あああああ!!」



遂に息の絶えた自らの僕《しもべ》を満足そうに見下ろし、口許を歪め微笑を浮かべた男。


月光を背負いながら、窓枠へとその瞳の方向を変えた男は、薄い唇を再度開く。


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