ＢＲＳＴ！

だけれど、それを選んだ響兄の思惑はきっとこうだ。


非通知から突然の電話、その時点で相手は自分の素姓を隠そうとしている。それは間違いないだろう。





「(――…、)」


そんな相手に、聞きたいことをベラベラ喋っても答えてくれる訳がない。

だからこそ響兄は、"一番効く一言"を選んで言ったんだ。




だからと言って此方が選りすぐって絞った疑問に、電話口向こうの男が答えるかどうかは分からないけれど。




でも、私たちが一番欲しいもの。

それは――





"……相川昴はお前等を裏切っていない。従って、此方の敵だ。"





昴くんの心は私たちのところにある、という確証そのものだったから。