契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
15.豹変した夫の溺愛

道重堂を後にした私たちは、彰さんの車で一緒に帰宅することになった。

従業員用の駐車場で一緒に車に乗り込み、落ち着いて二人きりになれたところで、私は改めて口を開く。

「こんな私でも、あなたの役に立てることがあってよかった。……最近妻としての自信を喪失ぎみだったから、なおさら」

正直な気持ちを吐露した私に、彰さんはすまなそうに苦笑する。

「悪かった。俺が、いつまでもお前に本当のことを話そうとしなかったからだな」

運転席から彼の腕がこちらに伸び、私の頬に触れる。暗い車内でお互いの視線が絡み、自然と胸が高鳴ってくる。

あと一歩でキスしてしまえそうな雰囲気だけれど、その前に私にはもうひとつだけ確認したいことがあった。

「それもありますけど……私、毬亜さんのことも、気になっていて」

「毬亜? ……ああ、叶夢の言っていたことを気にしているのか? 確かに毬亜とは電話で話したが、別にこれと言って疑われるような話はしてないと思うんだが……」

彰さんはスッと頬から手を離し、全く心当たりがないという顔をした。



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