◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
なーんだ。
愛里の口から、ついにふうっとため息が漏れ出てしまう。
なんだ、なんだ。
……なんだ。
わざわざ……オーバーなのよ、もう。やんなっちゃう。
愛里の胸の中に、失望とやるせなさが渦巻いていく。
ま、でも、元に戻るだけだ。また夢を追う毎日に戻るだけ。
私は漫画家になりたいとただそれだけを望む女の子で、だからこんなのどうだっていいんだ。
だけど、そうだとしても、
なおさんにもう一度だけ……会いたかったんだけど、な。