◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

 道路には、黒塗りの車が一台停まっていた。

 後部座席に尚貴を乗せ、どこからか戻ってきていた郡山がこちらに向かって歩いてくる。

「今日は、尚貴様が大変お世話になりました」
 正面で立ち止まると、丁寧にお辞儀をしてきた。

「いえ、そんな……」

 辺りが静まり、すうっと涼しくなったように感じる。
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