私の専属王子は金髪君
蘇る記憶

それから私は急いで帰宅した。


「お母さん!!
卒業アルバムは!?
中学校の!記憶を…取り戻したいの!」


まだお昼を過ぎて間もない時間に
帰ってきた私と、
私の言葉に驚きを隠せない様子だったけど、
この時を覚悟していたかのように
ゆっくりと寝室から
中学生活に関する様々な物を
出してきてくれた。



「凛、無理に思い出そうとすると
脳に負担がかかるのは分かってるよね?
だからお母さんはそれを避けてきた…。
でもね、最近の凛を見ていて
ずっと悩んでいたの…。
玲央君と高校で会うまでの凛は
どこかふさぎ込んでいて遠慮がちで。
その時は脳に負担がかからないから
それでいいと思っていた。
でもね、玲央君と付き合うようになって
昔に戻ったかのように
よく笑うようになった。」
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