恋愛イデアル。
春分が近い三月の朝に。
三寒四温。

「冷えるなあ」とイデアル。

女子高生だ。

俺は同意する。
長月遥も。学校への通学路だ。

「そういえば、植物研究会の活動を再開せねば」と長月遥。

「だよなあ」とイデアル。

朝焼けだ。
三月の早春の頃の。

もう少しで春分だ。

「季節は巡れば一体我々はどこから来て、どこに行くんだろうな?」とイデアル。

「あるいは創作の根っこのひとつはそんな素朴な疑問かもしれませんよ」と長月遥。

イデアルは首をかしげた。

「あるコラール(古歌)にこんなものがある。

『"神はよく知る。人間は風が吹けばたちまち塵になることを"』
敬虔さが必要なのだろう。自然や神、他者への」とイデアル。

長月遥が微笑んだ。

「気持ちいい朝。
人間は天候に左右されるのよ」

「それはとても言えることだなあ」とイデアル。
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