セツに思う、君のことを。
 君はいない。

 僕のとなりに、君はいない。

 星も無い真っ暗闇な空から、純白の雪だけが、しんしんと降り積もっては、肩を重くしていく。

 どうして、僕はここにいるんだ。

 傘も差さずにコートを雪で湿らせたまま、彼は胸裏で呟く。遠くに見える光の点滅。

 赤。青。黄。

 規則性を持って繰り返される点滅は、例えば彼が今、この場所から身を投げたとしても、それは止まることなく、永遠的に繰り返されるのだろう。

 永遠に。永遠に。

 光は無い。何も見えなくなってしまう、未来まで。

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