ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「本当はどうしたいの?」
どんなに悩んでも、どんなに夜が暗くても長くても、時間が経てばきっちり朝日は昇ってしまう。


明るくなった自分の部屋のベッドの上で、モゾモゾと寝返りを打ちながら、あたしは重い息を吐いた。


ああ、学校休みたいって思うの、これで何度目かな?


ここんとこ、いろんな不幸が一気にドッと押し寄せてきて、さすがに心が限界な気がする。


寝不足のせいか体に力が入らないし、頭がボーッとして、思考能力が停止している感じだ。


『雄太の心は田中さんに奪われてしまった』


昨日からその事実が、ずっと頭の中に鳴り響いて、まるで壊れた音響機器みたい。


手を繋ぐふたりの姿が、コルクボードにピン留めされた写真のように心に突き刺さって、消えてくれない。


胸が張り裂けそうに痛いから忘れて楽になりたいのに、人間って、忘れたいほどつらくて苦しい出来事ほど忘れられないものなんだ。


まるで深くて暗い海の底に囚われてる気分。当たり前に息ができて心臓が動いていることが、不思議だ。
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